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リーズ・ドゥ・ラ・サールによるショパンのバラード、ピアノ協奏曲第2番

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リーズ・ドゥ・ラ・サールという若いフランスのピアニストの録音。 1988年生まれ。この音源は2009~2010年の録音なので、20代序盤の録音。 "綺麗なおねえさん"系のピアニストだけど、CDジャケットによって印象が異なる。どんな顔立ちなのか、イマイチわからない。 伴奏を務めているのが、ファビオ・ルイージ指揮のドレスデン国立歌劇場管弦楽団。 機動性に富んでいながら、常にしなやかな演奏ぶり。 * * * * 軽い繊細なタッチだけど、繰り出される音楽は、緩急の幅が極端に大きい。 単純にスケールの大きな表現とも言い切れない。スケールがどうこうと言うより、音楽のディテールを拡大して聴かせるようなアプローチ。 そういう持ち味が端的に表れているのは、協奏曲よりバラードか。1曲の中で緩急が大きく変化するから。 明確な作品像があって、それを音として具現化できる表現力があるから、敬して聴くだけなのだけど、ここまで緩急の落差が大きいと、作り物っぽく聴こえてしまう。 * * * *  協奏曲の方は、個々の楽章の中でのテンポの変化は穏当。もしかしたら、オーケストラと絡むことを考慮して加減しているのかも。 ただし、楽章間の落差は大きい。とにかく、第二楽章が、気が遠くなるくらいのじっくりとした足取り。  そのせいで、全曲の中での第ニ楽章の比重がグッと大きくなって、全曲としては独自のバランスになっている。 もっとも、そのことが楽曲に関する新たな発見につながるかというと・・・ 演奏が終わって、聴衆の拍手でライブ録音と気がついたのだけど、ライブでこれだけ堂々と自分の作品観を打ち出せるのは凄いことだろう。