アレクサンドル・タローの、バッハ『ゴルトベルク変奏曲』
アレクサンドル・タロー(ピアノ)による、J.S.バッハの ゴルトベルク変奏曲 BWV988。
2015年のセッション録音。
タローは、1968年生のフランスのピアニスト。
タッチのニュアンスを多彩に使い分けているけれど、ダイナミックな表現力とか、響きの量感とかはごくごく控えめ。
音の扱いは繊細だけど、極端な弱音は(強い音も)使わない。音の粒立ちをある程度そろえたうえで、響きのニュアンスで表現を作り上げる。
一音一音は、クリアでありながら柔らかみがある。それらが親密に噛み合って、淀みない流れを生み出している。
リズムは活き活きとしているし、キレもある。また、フレーズの歌い回しとかバランスの作り方などに独自の味付けが散見される。
しかし、全体の流暢な進行の中に、自然に溶け込んでいる。
手指の運動量はけっこうありそうな演奏ぶりだけど、品良くいくぶん淡々と進められる。ときに静けさすら感じさせる。
チェンバロ寄りではないし、かと言ってピアノの性能を積極的に引き出すような表現でもない。
どちらかというと穏やかな個性だけど、確固として美意識があって、ピアノを使ってそれを具現化している、という印象。
幅広い層にアピールするような持ち味ではないと思うけれど、この穏やかな純度は、心地よい。
2015年のセッション録音。
タローは、1968年生のフランスのピアニスト。
この演奏は、75分かかっているので、たぶん作曲者指示の反復を励行しているのだろう(いちいち確認していない)。
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タッチのニュアンスを多彩に使い分けているけれど、ダイナミックな表現力とか、響きの量感とかはごくごく控えめ。
音の扱いは繊細だけど、極端な弱音は(強い音も)使わない。音の粒立ちをある程度そろえたうえで、響きのニュアンスで表現を作り上げる。
一音一音は、クリアでありながら柔らかみがある。それらが親密に噛み合って、淀みない流れを生み出している。
リズムは活き活きとしているし、キレもある。また、フレーズの歌い回しとかバランスの作り方などに独自の味付けが散見される。
しかし、全体の流暢な進行の中に、自然に溶け込んでいる。
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手指の運動量はけっこうありそうな演奏ぶりだけど、品良くいくぶん淡々と進められる。ときに静けさすら感じさせる。
チェンバロ寄りではないし、かと言ってピアノの性能を積極的に引き出すような表現でもない。
どちらかというと穏やかな個性だけど、確固として美意識があって、ピアノを使ってそれを具現化している、という印象。
幅広い層にアピールするような持ち味ではないと思うけれど、この穏やかな純度は、心地よい。
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