ティーレマンによるブラームス交響曲第2番(2013年)

好感度 ■■■■

ティーレマンとシュターツカペレ・ドレスデンのブラームス交響曲全集から、交響曲第2番を聴いた。2013年のライブ録音。

この全集は2012〜2013年に録音され、いずれもライブ録音。

ちなみに、ティーレマンは、2012年からこのオーケストラの首席指揮者に就いている

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余裕のあるスケールの大きな枠組みの中で、オーケストレーションを解きほぐして、その一つ一つをしっとりと艷やかに響かせている。

色合いの変化が鮮やかで、豊かな表現力。ただし、荒々しい音、濁った音は皆無。あくまでも、響きの洗練を追求している。
こうしたアプローチは、今どき珍しくないけれど、名門オーケストラの持ち味があいまって、落ち着いた色合いの艶は好ましい。

テンポを自在に伸縮させて、じっくりと濃やかに聴かせる。前のめりに煽って、息苦しくすることはない。
思い入れて粘るというより、冷静に磨き上げ構築していく感じなので、もたれることはない。

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音の出し方は軽めで、量感もほどほど。しかし、立体的かつスケール豊かな造形と、濃やかな表現力のおかげで、押し出しは立派。

第1〜3楽章が、ジックリと描きあげられるのに対して、終楽章はオーケストラの上手さ機動力を引き出して、胸のすくような仕上がり。
精細感や響きの艶を保ったままで、壮快に畳み掛ける。お見事。

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指揮者の美意識が強く出た演奏なので、好き嫌いは分かれそうだけど、演奏様式には一貫性があるし、堂々として、巧み。

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