ヴェンゲーロフ、バレンボイムによるブラームスのヴァイオリン協奏曲

ヴァイオリンはマキシム・ヴェンゲーロフ、管弦楽はダニエル・バレンボイム指揮のシカゴ交響楽団。
ちなみに、併録のヴァイオリン・ソナタ第3番のピアノもバレンボイム。
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趣味の悪いジャケ写への悪印象が先入観になっているかもだが、印象はイマイチ。
不満があるとすれば、管弦楽の方。この曲の場合、管弦楽は伴奏以上の役割を担っている。
原因はわからないけれど、色調が乏しい。オーケストラの持ち味だろうか?技術的にはうまいし、丁寧に演奏されている。
指揮者の音楽性なのだろうか?バレンボイムは、骨太で柄の大きな音楽を要求しつつ、細部の磨き上げも行き届いている。
オーケストラはそれにしっかり応えている。パートの一つ一つはニュアンスを込めて演奏できている。
でも、それぞれのパートがむき出しのままで、ブレンドされないので、無骨で場面による色合いの変化が乏しい。
そのくせ、伴奏らしい控えめさがないので、何かしら気に障る。
併録のヴァイオリン・ソナタ第3番の、バレンボイムのピアノはニュアンス豊かで好印象。ということは、管弦楽の響きの作り方がしっくりこないということか?
そういう質の音楽を狙ってやっていて、こちらと相性が悪いだけかもしれない。
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線の太い安定した美音が特徴で、作品解釈は素直。さすがの安定した腰の強さで、健康優良児的。これといった不満を感じなかった。
ただ、この曲の場合、個人的に、ヴァイオリン・ソロを切り離して評するのは難しい。
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