ブレハッチによるショパン前奏曲全集

2005年ショパン国際ピアノ・コンクールで優勝した、ポーランド人ピアニスト。
1985年生まれの若手。
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理知的なスタンス。
響きの量感は控えめで、音の一粒一粒を際立たせて、それらのバランスを精妙にコントロールしている。
微弱音~やや厚めの響き、の幅で演奏されているけれど、その幅を最大限有効活用して、彫りの深い表情を作り出している。
落ち着いた、まっとうな作品解釈だけど、耳をそばだてさせられる。
楽譜に記された音符を、メインのフレーズとサブのフレーズに整理するのではなく、その重ね方にこだわり抜いて、多彩なニュアンスを生み出している。
繊細さを基調としたショパン演奏に、賛否はあるかもしれないけれど。
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変わったことをやっているわけではないけれど、ある程度定説化された作品像を、自分の技術と感性を通して再現しましたというような、うまいけど予定調和的な演奏とは一線を画している。
あらためてショパンの作品書法に意識を向けさせられた。
こだわりの深さが、そのまま演奏に反映されている感じで面白い。
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