ブレハッチによるショパン前奏曲全集

ラファウ・ブレハッチのピアノ。2007年のセッション録音。

2005年ショパン国際ピアノ・コンクールで優勝した、ポーランド人ピアニスト。
1985年生まれの若手。

::::::::::

理知的なスタンス。

響きの量感は控えめで、音の一粒一粒を際立たせて、それらのバランスを精妙にコントロールしている。

微弱音~やや厚めの響き、の幅で演奏されているけれど、その幅を最大限有効活用して、彫りの深い表情を作り出している。

落ち着いた、まっとうな作品解釈だけど、耳をそばだてさせられる。
楽譜に記された音符を、メインのフレーズとサブのフレーズに整理するのではなく、その重ね方にこだわり抜いて、多彩なニュアンスを生み出している。

繊細さを基調としたショパン演奏に、賛否はあるかもしれないけれど。

::::::::::

変わったことをやっているわけではないけれど、ある程度定説化された作品像を、自分の技術と感性を通して再現しましたというような、うまいけど予定調和的な演奏とは一線を画している。

あらためてショパンの作品書法に意識を向けさせられた。

こだわりの深さが、そのまま演奏に反映されている感じで面白い。

コメント

このブログの人気の投稿

MX Linuxで高音質化に取り組む

低スペックの旧式ノートPCを、MX Linuxで高音質化①

ubuntuを高音質化