ジャン=ギアン・ケラスによるバッハの無伴奏チェロ組曲

好感度 ■■■■■
ジャン=ギアン・ケラスの演奏。2007年のセッション録音。
ケラスは、1967年カナダ出身。現在はフランス国籍のようだ。
けっこうな数のレコーディングをおこなっているけれど、同曲の録音はこれだけのよう。
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超絶技巧。ハッとするようなスムーズさ、軽快さで演奏されている。
しかも、響きが磨かれている。シットリと艶がかっている。色合いの変化が、細やかに、適確にコントロールされている。
運動性や技巧のキレが、熱気とか圧力ではなく、クールな洗練につながっている。
活気のある曲は、かなり速いテンポで軽快に演奏される。一方、緩やかな曲は、落ち着いたテンポ設定だけど、粘り気はほとんどなく、細身でクール。
要するに、腕が立ってセンスも良い。技がキレるだけでなく、表現力にも広がりがある。そしてスタイリッシュ。カッコよくて卒がない。
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活気のある曲を、軽快に颯爽とやっていようと、細部の表情にまで行き届いている。
それでも、聴きどころのいくつかが、あっさりと、そそくさと通り過ぎていく感じで、喰い足りなさが残った。
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