クーベリックによるドヴォルザーク交響曲第8番(1976年ライブ)

ラファエル・クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団。
1976年のライブ録音。


クーベリックは、1961〜1978年に渡って、同オーケストラの首席指揮者を務めた。

クーベリックは、この交響曲を、1966年にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とセッション録音している。


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おそらく、オーケストラの編成はそんなに大きくない。
サウンド全体のボリューム感は控えめ。木管の輪郭が浮き彫りで、内声部が手にとるように明瞭。

華奢ではないし、こじんまりともしていないけれど、オーケストラサウンドのボリューム感はごく控え目。

個人的に、ドヴォルサークのオーケストレーションの妙を味わえる好ましいアプローチだけど、好き嫌いは分かれるかも。


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全編を緊張感が貫いているものの、テンションで聴かせるアプローチではない。

楽曲の書法を室内楽的な次元で浮き彫りにしながら、こだわりの表現を繰り広げている。緩急の揺れとか、細部の強調とかを自在にやっている。

造形を歪めるとか、特定パートを誇張するようなオーバーアクションはなく、一般的な意味でのアクの強さは感じないけれど、完全に自分の呼吸でやっているし、表情の付け方はこだわりに満ち満ちている。

たまたまクーベリックが端正な音楽を志向しているからお行儀良く聴こえるけれど、ご本人としては嗜好全開でやっているようにも聴こえる。


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弦セクションは、クーベリックの意志を体現するように、変幻自在の歌いっぷり。
金管セクションは、節度を保ちながら、歯切れよく他のパートに絡んでいる。

弦セクションに比べると、木管セクションはやや堅く聴こえる。弦がうますぎるのかも。

演奏のせいなのか、録音のせいなのかはわからないけれど、芯があって生々しいサウンド。ボヘミアの自然を連想させられるような音ではない。そういうのが不可欠な要素というわけではないけれど。


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