アンドリス・ネルソンスによるブルックナー交響曲第4番『ロマンティック』


好感度 ■■■

アンドリス・ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団。
2017年のライブ録音。
ワーグナーの『ローエングリン』第1幕への前奏曲も併録。

アンドリス・ネルソンスは、1978年ラトビア出身の指揮者。
この録音時点で30代終盤。

2017年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長(カペルマイスター)に就任している。

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ゆとりのあるテンポ。特に叙情的な場面ではテンポを緩めて入念に磨く。

サウンドはコンサートホールに広々と展開されるけれど、厚みや量感は控えめ。むしろ繊細感が際立つ。ときに神経質なくらい。
盛り上がる場面では、それなりに迫力を増すけれど、響きの質感を優先した抑制的な表現が目立つ。

ややくすんだ色調の響きだけど、響が均質で鮮明。この長い伝統誇るオーケストラから連想それるローカルな色調とは違う。
ネルソンスは、自分の響きを持っている指揮者で、このオーケストラからも、彼らしい質感のサウンドを引き出している。
抜きん出た耳の良さと統率力を感じさせる。

逆に言うと、若き才能と名門オーケストラとの出会いがもたらす新鮮な驚き、みたいな要素はない。
ネルソンスの流儀が支配的。

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落ち着いたペースとか、広がりを感じさせるサウンドとかは、ブルックナーの作風に合っているかもしれない。

ただし、響の厚みの乏しさとか、際立つ繊細感をどう聴くかで、評価が分かれそう。

それと、全曲を、緊張感とか入念さに由来する一定のトーンが貫いていて、生き生きとした多彩さみたいなものは乏しい。

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