ヤンセンによる、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲

2009年のセッション録音。
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ヤンセンのヴァイオリンは、よくコントロールされた繊細かつ上品なタッチだけど、歌い回しに控えめながら粘りとかしなりがある。だから、腰の弱い音楽にはなっていない。
あくまでもクールでスタイリッシュだけど、歌心を忘れていない、みたいな。気持ちよくこちらに入ってくる。
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小編成のオーケストラによるオリジナル楽器風の伴奏とあいまって、こじんまりとしたサウンドイメージ。
聴き手の曲に対する思い入れによっては、違和感が湧くかもしれない。これはこれでバランスはとれていると思うし、個人的にはこういう方がしっくりくる。
いずれにしても、朗々としたスケールの大きな表現から、この音源のようなアプローチまでを受け入れてしまう、懐の広い楽曲だ。
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