レーピンによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲

1994年のセッション録音。 ヴァディム・レーピンのヴァイオリン独奏、伴奏はエマニュエル・クリヴィヌ指揮のロンドン交響楽団。

最近のレーピンのジャケット写真と比べると、若いというか、顔がパンパン。

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しかし、演奏ぶりは、写真の印象とは違って(?)、端正で細やか。

一節一節のニュアンスが、細やかに描き分けられている。どちらかというと繊細方面に傾斜しているけれど、進行に揺るぎがないせいか、ひ弱な感じはしない。

ただ、徹底したコントロールを感じさせるから、こちらも冷静に聴いてしまう。結果として、感情表現の幅は狭い、という印象に。

それが良い悪いではなくて、そういう質の演奏と感じられる。感心はするけれど、感動しにくい。

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 クリヴィヌらの管弦楽は、後方支援に徹している。盛り上がる場面では力を開放するけれど、全体的に節度正しい。過不足の少ない好サポート。

ただ、この輪郭の淡い暖色系サウンドは、何だろう?ヴァイオリン・ソロを柔らかく包み込む感触は悪くないけれど、全体の響きの中に細かな動きが埋没気味。 これがクリヴィヌのイメージするシベリウスのサウンドなのだろうか?
こういうモヤッとしたサウンドが合う楽曲はあると思うけれど、シベリウスにはどうだろう?

ロンドン交響楽団の持ち味とは考えにくいから、指揮者か録音スタッフの意図なのだろうけれど。

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