ピエール・フルニエによるバッハの無伴奏チェロ組曲(1960)


好感度 

ピエール・フルニエの独奏。

1960年のセッション録音。当時54歳。

他に、1959年のライブ録音、1972年のライブ録音があるようだ。

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響きの量感は控えめ。フレーズの線の流れを浮き上がらせ、それを端整に連ねていく感じ。

そういう演奏スタイルであっても、表現力が大きければ、聴き進むうちに楽曲の多様性に引きこまれてしまうはずだけど、この音源にそこまでの力を感じない。

良く言えば、お行儀が良くて控えめなのだけど、それで終始している。
でも、滑舌のキレが微妙だし、かと言って、流暢というほどでもない。音色の変化も多彩と言えるほどではない。
端整で落ち着いた方向性にしても、他にもっと魅力的な演奏が複数見つかりそう。

技術的にこれと言えるような破綻はなさそうだけど、小さくまとまっている風なので、頼りなく聴こえてしまう。

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フルニエには他の曲でお世話になっていて、好感度が高い。だから、少々物足りなくても、美点を意識しながら聴き通した。

しかし、彼の演奏であるという事前情報抜きで聴いたら、途中で投げ出していたかもしれない。

いずれにせよ、これより魅力的な音源は、いくらでもある。

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