ズヴェーデンによるワーグナー楽劇『ワルキューレ』
ヤープ・ファン・ズヴェーデン指揮香港フィルハーモニー管弦楽団ほか。
2016年のライブ録音(演奏会形式)。
2015〜2018年にかけて毎年1作ずつ録音された、ニーベルングの指環全曲録音の第2弾。
ズヴェーデンは、2012年よりこのオーケストラの音楽監督を務めている。
ゆったりとした量感をベースにしつつ、端整でスッキリとしたアンサンブルが繰り広げられている。
ゆとりのあるテンポ設定で、旋律線をキレイに丁寧に浮かび上がらせる。音楽がよく整理されていてわかりやすい。
スケール感はあるが、馬力とかダイナミズムは乏しいし、彫りが浅くて陰影は薄い。
2016年のライブ録音(演奏会形式)。
2015〜2018年にかけて毎年1作ずつ録音された、ニーベルングの指環全曲録音の第2弾。

ズヴェーデンは、2012年よりこのオーケストラの音楽監督を務めている。
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ゆとりのあるテンポ設定で、旋律線をキレイに丁寧に浮かび上がらせる。音楽がよく整理されていてわかりやすい。
スケール感はあるが、馬力とかダイナミズムは乏しいし、彫りが浅くて陰影は薄い。
そのために、管弦楽パートに関しては、情感もドラマ性も極控えめ。当たりの柔らかいおとぎ話のようなタッチ。
ただし、音楽の息遣いはしっかりと活かされていて、集中と解放とか、沈潜と高揚とかの、呼吸の切り替えは的確。
よって、柔和なタッチとか明るいサウンドとかに抵抗を感じなければ、スムーズに同調できる。
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わたしは詳しくないけれど、歌手たちの顔ぶれは豪華らしい。
管弦楽は、歌手たちを紳士的にエスコートしている。丁寧かつ安定しており、かつ自然な呼吸感なので、歌いやすそう。
高まる場面でも、歌唱と管弦楽とが対峙することない。終始協調的。
そういうこともあってか、歌手たちはのびのびと歌っている印象で、不満はほとんど感じなかった。
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ズヴェーデンの他の音源を聴いても、量感たっぷりのサウンドと端整かつ細やかなアンサンブルの取り合わせを聴くことができる。
ただし、欧米のオーケストラとの音源の方が、より厚みを感じさせる。
それらに比べると、このワルキューレの管弦楽はカロリー控えめ。そこがこのオーケストラの、今のところの限界なのかもしれない。
仮にそうだとしても、それが弱点と聴こえないような演奏スタイルが選択されている。
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