ユリア・フィッシャーによるブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番

2012年の録音。

管弦楽はデイヴィッド・ジンマン指揮チューリヒ・トーンハレ管弦楽団。

フィッシャーは、1983年生まれのドイツのヴァイオリン奏者。この人の音源を聴くのは初めて。

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楽曲をいったん解体して、その一つ一つを磨きあげ、キレイに整形して、 丁寧に組み立てなおしたような演奏。

技術が安定していて、センスが良くて、丹念な演奏ぶり。すごく洗練されいるけれど、洗練させることに意識が向きすぎて、音楽の呼吸感が伝わってこない。
というか、音楽を息づかせることが乱れにつながる、という思考の演奏と言うべきか。

極端に頭でっかちなアプローチで、作り物臭がきつい。

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ジンマンらの伴奏は、タップリとしながら、見通しの良い響きで、フィッシャーのヴァイオリンを包み込む。

ジンマンは、オーケストラの響きを整え、色づかせることに長けた指揮者と思う。ただ、それ以上の何かは期待できない。
だから、交響曲とかでは食い足りないことが多いけれど、伴奏者としては良いかもしれない。

この音源に関しては、フィッシャーもジンマンも、音楽を綺麗に整えることを最優先するスタンスなので、相性がいいとも、悪いとも言える。

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