スヴェトラーノフによるショスタコーヴィチ交響曲第7番『レニングラード』(1968年)

エフゲニー・スヴェトラーノフ指揮ソビエト国立交響楽団。
1968年のセッション録音。


スヴェトラーノフは、1928年ロシア出身の指揮者。2002年没。

1965〜2000年の長きに渡って、ソビエト国立交響楽団(のちにロシア国立交響楽団 )の音楽監督を務めた。
この音源は、その初期のもの。

スヴェトラーノフによるこの曲の音源は他に、この音源と同じ組み合わせによる1978年ライブ録音と、1993年のスウェーデン放送交響楽団とのライブがあるようだ。


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最大の聴きどころは、第一楽章だと思う。
この楽章は、盛り上げることに徹したらどうなるのか?という期待をもたせるタイプの音楽だけど、そういう聴き手の期待に応えてくれる演奏。

低音パートが増強された分厚いサウンドを響き渡らせながら、直線的に剛直に駆け上がっていく。

ただし、穏やかな場面では、叙情的なしっとりとした質感を表出しており、力で押すだけの演奏ではない。

とは言え、脳筋ぽいやり方だし、アンサルブルの仕上がりは粗くザラついている。破綻するところまではいっていないけれど、B級感はぬぐえない。


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4つの楽章の中で、第三楽章の表現には固さを感じる。

ウェットな響きは似つかわしいけれど、歌い回しとか呼吸感とかに無骨さがある。
前半の2つの楽章での、束の間の静かな場面では、質朴な味として聴けるけれど、
第三楽章のように、全編歌う楽章だと、ぎこちなくも感じられる。

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