ハーゲン四重奏団によるベートーヴェン弦楽四重奏曲第15番


好感度 ■■

2003年のセッション録音。

ハーゲン四重奏団は、オーストリアのザルツブルクを本拠とする。
1981年に、兄弟姉妹で活動開始。その後、第2ヴァイオリンが入れ替わり、1987年より現在の顔ぶれに。

ドイツ・グラモフォンに第1, 4, 7, 11, 12, 13, 14, 15, 16番をレコーディング。全集にはならなかった。

その後、MYRIOSというレーベルに移って、ベートーヴェンの録音を継続しているようだ。

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個々のパートが艷やかな美音を聴かせる。それぞれの響きは薄めで、響きが被って濁らないように、コントロールされている。

4パートが一体となって響きを織りなすというより、個々のパートの独立性を保ちながら、表情を綾なす感じ。

そして、場面ごとに前に出るパート、支えるパートの役割分担が明確になっていて、小気味よくしなやかに切り替わっていく。
高い技術をむき出しにしない、スマートでチャーミングな立ち振る舞い。

全体として、豊かさとか厚みは無いものの、響きの鮮度は高く、精妙で美麗。

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グループが共有する美意識を前面に出している。感覚的な心地良さとか洗練に、思いっきり傾斜した作品像で、聴手との相性は分かれそう。

たとえば、「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」と題された第3楽章は、崇高な気分に包まれるより、シンプルに美しい音楽に浸る感覚が強い。

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