ロスバウトによるブルックナー交響曲第5番
ハンス・ロスバウト指揮、南西ドイツ放送交響楽団。
1953年のセッション録音。古いモノラルだけど、放送局の音源だけあって、とても鮮明。
ロスバウト(1895~1962年)はオーストリア出身の指揮者。1948~1962年にかけて、同オーケストラの音楽監督を務めた。
軽くて柔らかい音の出し方。各パートの輪郭は明瞭だけど、それを損なわない程度のブレンド感がある。
明るめの均質な響き。かたよらないサウンドバランス。
楽曲の書法に込められたニュアンスを、鋭敏に明瞭に響かせるための、軽くて柔らかい音の出し方。
極端な強音・弱音は無い。音響効果や雰囲気に走ることなく、音の刻みや線的な動きを浮き上がらせ、それらのニュアンスとか、重なりとか、連動とかの加減で、表情を作り出していく。
軽快ではあるけれど、腰の軽い演奏ではない。
オーケストラは、質の高いアンサンブルで、過不足なく指揮者の要求に応えている。派手さはないけれど、そのことがむしろプラスに作用している。
楽曲の書法を歪みなく、濁りなく表現することに軸足を置いている。
そのうえで、伸びやかかつしなやかなフレージングとか、ブレントされた音響美を堪能させてくれる。
というか、ロスバウトとしては、味付けとしてやっているのではなく、それらもブルックナーの狙いの一部と解釈しているのかもしれない。
陶酔したり、浸ったりというような風情は皆無。作曲の意図した効果に目配りするけれど、簡潔に提示するだけ。良くも悪くも、さっぱりした後味。
豪壮な終楽章のコーダですら、あっさりとして落ち着いている。
1953年のセッション録音。古いモノラルだけど、放送局の音源だけあって、とても鮮明。
ロスバウト(1895~1962年)はオーストリア出身の指揮者。1948~1962年にかけて、同オーケストラの音楽監督を務めた。
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軽くて柔らかい音の出し方。各パートの輪郭は明瞭だけど、それを損なわない程度のブレンド感がある。
明るめの均質な響き。かたよらないサウンドバランス。
楽曲の書法に込められたニュアンスを、鋭敏に明瞭に響かせるための、軽くて柔らかい音の出し方。
極端な強音・弱音は無い。音響効果や雰囲気に走ることなく、音の刻みや線的な動きを浮き上がらせ、それらのニュアンスとか、重なりとか、連動とかの加減で、表情を作り出していく。
軽快ではあるけれど、腰の軽い演奏ではない。
オーケストラは、質の高いアンサンブルで、過不足なく指揮者の要求に応えている。派手さはないけれど、そのことがむしろプラスに作用している。
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楽曲の書法を歪みなく、濁りなく表現することに軸足を置いている。
そのうえで、伸びやかかつしなやかなフレージングとか、ブレントされた音響美を堪能させてくれる。
というか、ロスバウトとしては、味付けとしてやっているのではなく、それらもブルックナーの狙いの一部と解釈しているのかもしれない。
陶酔したり、浸ったりというような風情は皆無。作曲の意図した効果に目配りするけれど、簡潔に提示するだけ。良くも悪くも、さっぱりした後味。
豪壮な終楽章のコーダですら、あっさりとして落ち着いている。
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