カルミニョーラによる、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第4番(1997年)

ジュリアーノ・カルミニョーラのヴァイオリン独奏、伴奏はカルロ・デ・マルティーニ指揮のイル・クァルテットーネ。
1997年のセッション録音。全集から。

 カルミニョーラは、10年後に、クラウディオ・アバドと組んで再録音している。別記事にて採り上げている。

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カルミニョーラ中心に見ると、新録音より、こちらの方がしっくりくる。
ヴァイオリン・ソロの出来の違いではなく、伴奏との相性の違い。

カルミニョーラのソロは、いずれにしても、線が細くて、流暢で、軽やかで、細やかだけど陰影は薄い。バロック期に量産された、イタリアの作曲家たちによる合奏協奏曲あたりを連想させるテイスト。

アバドはそういうのに付き合っていなかったけれど、こちらの音源のマルティーニ指揮イル・クァルテットーネの方は、カルミニョーラと同じ方向性。

型にはまったテイストなので、刺激的な要素は乏しいけれど、演奏様式としての納得感は高い。

カルミニョーラを味わうなら、アバドとの協演ではなく、こちらだろう。

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良くも悪くも流暢にスイスイと流れる演奏で、モーツァルト演奏としては好みが分かれそう。

伝統的な名演奏と比べると、浅薄に聴こえなくもない。
しかし、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲が、この演奏で聴けるような側面を持っていないとは言い切れない。

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