ブレハッチによるショパンのピアノ協奏曲第1番

ラファウ・ブレハッチのピアノ、イェジー・セムコフ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。
2009年のライブ録音。

ブレハッチは1985年ポーランド出身のピアニスト。2005年にショパン国際ピアノコンクールで優勝。ツィマーマン以来30年ぶりのポーランド人優勝者だったらしい。

セムコフは、ポーランド出身のフランスの指揮者。1928年生まれなので、録音の時点で80歳を超える大ベテラン。

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ブレハッチが聴かせる作品像自体はごく標準的。

情緒的な表現にあまり入り込まないで、繊細・精妙なタッチで、楽曲の書法を鮮やかに描き出す。

ニュアンスの彫りは深くて、音の粒立ちは良好。クリスタルな凛とした響きではなく、ちょっと湿り気を帯びた音で、耳のあたりは柔らかい。

聴いていて、気分が高まってくるようなところはないけれど、精妙でみずみずしい音楽が心地よい。

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ピアノは、そんなに大きな音を出しているように聴こえないけれど、細かなニュアンスまで伝わってくる。

録音の加減もあるのだろうけど、節度ある伴奏も影響していそう。
柔らかな響きでピアノを包み込むよう。一歩引いているようだけど、かと言って不足を感じさせることもなく、心得た振る舞い。

これを聴いて、セムコフの他の演奏も聴いてみたいという気持ちにはならないけれど、ブレハッチの伴奏としては好ましい。

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