ジュリーニによるブルックナー交響曲第9番(1988)
カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。
1988年のセッション録音。
知る範囲で、この曲のジュリーニの正規録音は4つある。この音源以外に、シカゴ交響楽団(1976)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1978)、シュトゥットガルト放送交響楽団(1996)。他に、海賊盤が1つ。
オーケストラ全体の音響をデザインするというより、フレーズの一つ一つを自身の美意識で磨いて、それらを束ねるような音楽の作り方。
フレーズの一つ一つに艶と粘りがあって、じっくりと入念に歌い上げられる。
張りと艶のある弦の歌い回しが一貫していて、全体の趣を支配している。
それらの総体としてのアンサンブルは、骨太で大柄。
徹底的にジュリーニ風味に料理された演奏で、揺るぎのない押し出しの良さは、巨匠の風格。
ジュリーニの到達した境地に感銘する。
個々のフレーズは表情豊かに歌われているけれど、演奏全体が醸し出す調子は一定している。
楽曲の推移や展開より、ジュリーニの美学の方がより強く出ている。
張りと艶を終始欠かさない歌い回しのせいで、全体に陰影が乏しい。
また、ひたすら入念に磨くので、音楽の息遣いも変化が乏しい。
偏向の強い、怪異な演奏と言えるかも。
どの場面を聴いても同じようなトーンが支配しているので、聴き手との相性はシビアになりそう。
1988年のセッション録音。
知る範囲で、この曲のジュリーニの正規録音は4つある。この音源以外に、シカゴ交響楽団(1976)、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(1978)、シュトゥットガルト放送交響楽団(1996)。他に、海賊盤が1つ。
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オーケストラ全体の音響をデザインするというより、フレーズの一つ一つを自身の美意識で磨いて、それらを束ねるような音楽の作り方。
フレーズの一つ一つに艶と粘りがあって、じっくりと入念に歌い上げられる。
張りと艶のある弦の歌い回しが一貫していて、全体の趣を支配している。
それらの総体としてのアンサンブルは、骨太で大柄。
徹底的にジュリーニ風味に料理された演奏で、揺るぎのない押し出しの良さは、巨匠の風格。
ジュリーニの到達した境地に感銘する。
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個々のフレーズは表情豊かに歌われているけれど、演奏全体が醸し出す調子は一定している。
楽曲の推移や展開より、ジュリーニの美学の方がより強く出ている。
張りと艶を終始欠かさない歌い回しのせいで、全体に陰影が乏しい。
また、ひたすら入念に磨くので、音楽の息遣いも変化が乏しい。
偏向の強い、怪異な演奏と言えるかも。
どの場面を聴いても同じようなトーンが支配しているので、聴き手との相性はシビアになりそう。
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