ヤンソンスによるサン=サーンス交響曲第3番『オルガン付』
マリス・ヤンソンス指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団。
1994年のセッション録音。
ヤンソンスは、1979年から2002年もの長きにわたって、同オーケストラの音楽監督を務めた。
その時期の、後期の録音。
個人的に、ヤンソンスは、どこかわからないところがある指揮者。そのわからなさは、その音源にも潜んている。
楽曲に向かう基本姿勢は正攻法。作品の構造を端正に浮き上がらせつつ、音の動きの一つ一つに確実に表情を付けて明確に描き出す。作品の実像から逸れることのない、着実なアプローチ。
中低音がほどほどに豊かな響きが、カッチリした造形を包み込んで、むき出しにしない。
ヤンソンスの音響に対する嗜好なのだろうけれど、この曲には合っていないような。
豊かさが加わる反面、濁りとか粘りにもつながっている。響きがくすみがちで、色彩感の心地よさは乏しい。
正攻法で質の高い音楽をやれる指揮者だけど、それだけでは終われないらしい。
仕上げの段階でそれぞれの楽章に、キャラ付け強めに施している。
第一楽章前半の厳しい佇まいに対して、後半はじっくりと歌い上げる。続く第二楽章前半は活発に。
ここまでは順当だけど、第二楽章後半は賛否が分かれそう。
豪快な味付けだけど、あえて羽目を外している。目につくところをあげると、冒頭での過剰なまでに豪壮なオルガンとか、エンディングでの音の長すぎる引き伸ばしとか。
少なくともわたしには、半端でわざとらしく聴こえた。
ヤンソンスのは、まじめな優等生が、意図的にやんちゃをやっているみたいな、割り切れていない調子が付きまとう。
わたしたちはすでに、フルトヴェングラーやムラヴィンスキーのような、とことんやってしまう存在を知っているわけで・・・
1994年のセッション録音。
ヤンソンスは、1979年から2002年もの長きにわたって、同オーケストラの音楽監督を務めた。
その時期の、後期の録音。
個人的に、ヤンソンスは、どこかわからないところがある指揮者。そのわからなさは、その音源にも潜んている。
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楽曲に向かう基本姿勢は正攻法。作品の構造を端正に浮き上がらせつつ、音の動きの一つ一つに確実に表情を付けて明確に描き出す。作品の実像から逸れることのない、着実なアプローチ。
中低音がほどほどに豊かな響きが、カッチリした造形を包み込んで、むき出しにしない。
ヤンソンスの音響に対する嗜好なのだろうけれど、この曲には合っていないような。
豊かさが加わる反面、濁りとか粘りにもつながっている。響きがくすみがちで、色彩感の心地よさは乏しい。
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正攻法で質の高い音楽をやれる指揮者だけど、それだけでは終われないらしい。
仕上げの段階でそれぞれの楽章に、キャラ付け強めに施している。
第一楽章前半の厳しい佇まいに対して、後半はじっくりと歌い上げる。続く第二楽章前半は活発に。
ここまでは順当だけど、第二楽章後半は賛否が分かれそう。
豪快な味付けだけど、あえて羽目を外している。目につくところをあげると、冒頭での過剰なまでに豪壮なオルガンとか、エンディングでの音の長すぎる引き伸ばしとか。
少なくともわたしには、半端でわざとらしく聴こえた。
ヤンソンスのは、まじめな優等生が、意図的にやんちゃをやっているみたいな、割り切れていない調子が付きまとう。
わたしたちはすでに、フルトヴェングラーやムラヴィンスキーのような、とことんやってしまう存在を知っているわけで・・・
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