チョン・ミュンフンによるサン=サーンス交響曲第3番『オルガン付』(1991)
チョン・ミュンフン指揮、パリ・バスティーユ管弦楽団。
1991年のセッション録音。
彼は1989~1994年に、パリ・オペラ座(バスティーユ歌劇場)音楽監督を務めたが、その頃の録音。
個々のパートの線の動きを際立たせるより、それらをブレンドして、一つの大きな流れを生み出していく。
その流れを自在に色づかせ、しならせて、壮快な音楽を作り上げている。
この曲の描き方としては、構築性めいたものは乏しい代わりに、感覚的な要素が強く出ていて、柔らかく豊かに広がるサウンドが心地よい。
しかし、甘口なだけの表現ではない。ソフトな響きの内側に、活気とか反射神経の良さが感じられる。
第二楽章後半あたりは、はつらつとした開放感が気持ち良い。今聴いてもフレッシュ。
個々のフレーズは、交響曲を構成する柱というより、豊かな響きの彩として扱われている。
逆に言うと、ポリフォニックな作品書法の楽しさ(立体的に音が交錯するようなイメージ)は乏しい。録音も、そうした感触を助長する。
そういう意味で、この交響曲のある部分、そこそこ重要な部分が切り捨てられているような印象。
もっとも、この演奏自体に、強い自己顕示とか灰汁を感じない。己の感性に忠実に、伸びやかに表現している。
彼は1989~1994年に、パリ・オペラ座(バスティーユ歌劇場)音楽監督を務めたが、その頃の録音。
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個々のパートの線の動きを際立たせるより、それらをブレンドして、一つの大きな流れを生み出していく。
その流れを自在に色づかせ、しならせて、壮快な音楽を作り上げている。
この曲の描き方としては、構築性めいたものは乏しい代わりに、感覚的な要素が強く出ていて、柔らかく豊かに広がるサウンドが心地よい。
しかし、甘口なだけの表現ではない。ソフトな響きの内側に、活気とか反射神経の良さが感じられる。
第二楽章後半あたりは、はつらつとした開放感が気持ち良い。今聴いてもフレッシュ。
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個々のフレーズは、交響曲を構成する柱というより、豊かな響きの彩として扱われている。
逆に言うと、ポリフォニックな作品書法の楽しさ(立体的に音が交錯するようなイメージ)は乏しい。録音も、そうした感触を助長する。
そういう意味で、この交響曲のある部分、そこそこ重要な部分が切り捨てられているような印象。
もっとも、この演奏自体に、強い自己顕示とか灰汁を感じない。己の感性に忠実に、伸びやかに表現している。
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