プラッソンによるサン=サーンス交響曲第3番『オルガン付』

ミシェル・プラッソン指揮、トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団。
1995年のセッション録音。

プラッソンは1933年生まれのフランスの指揮者。1968~2003年に、同オーケストラの音楽監督を務めた。その時期の録音。

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演奏の志向としても、録音の傾向としても、ホールのたっぷりと豊かな響きをひっくるめて曲想が描き出されている。

楽器の音の出し方は軽くて繊細だけど、包み込む豊かな響きのおかげで、か細さとか神経質さを感じさせない。

楽曲の構造自体は、恰幅の良くカッチリと造形されている。だから、ソフトフォーカス気味のサウンドだけど、気分に流れる感じはなく、堂々と安定している。

当たりはソフトだけど、各楽章の盛り上がる場面では、必要十分な高まりを形作る。

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どこか鄙びたところのある、艶消しされたふくよかな音響は独特。
第一楽章後半あたりは、曲調にしっくりとはまって、吸い込まれそうな感覚にとらわれた。
しかし、他の部分では、もっと明晰にやった方が、サン=サーンスの洗練された書法の真価が、鮮やかに表れるように感じられた(好みの範疇だろうけど)。

サウンドの嗜好は特徴的だけど、それ以外については説得力を感じる。
たとえば、第二楽章後半で、堂々たる進行の中に、柔軟かつしなやかなアンサンブルが展開される様は、気持ち良いし聴き応えがある。

オーケストラは、第一楽章の冒頭あたりでは不安を感じたものの、全体としては十分に高いレベルだし、とりわけキレのある金管は爽快。

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