オーマンディによるサン=サーンス交響曲第3番『オルガン付』(1962)
ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団。1962年のセッション録音。
このコンビで、同曲を3回セッション録音しており、この音源はその最初のもの。
1960年前後のオーマンディの音源は、ドライで高音キツメで、空間の広がりを感じにくいものが多い。この音源はその典型。
細かいところはよく聴こえるけれど、自然な音響とは言いがたい。
この交響曲のレコーディングの中でも、たぶん、かなり個性的な演奏。
まず、オーケストラの編成が小さいのか、この曲らしい壮大な音響は聴かれない。
ありがちな、広々として空間に、量感たっぷりオーケストラを響かせるアプローチとは真逆で、個々のパートの線が重視されている。
内声部がとても雄弁。
木管は、弦と対等とまでは言えないけれど、存在感は大きい。
ヴァイオリンは対向配置になっており、左右の掛け合いを通して、表情を作り出している。
金管パートも、派手な振る舞いはなく、分をわきまえている。
演奏の精度は高いものの、中低音をふくよかに響かせて、神経質な印象を与えない。ただ、全般的に明るくて乾いた響きに統一されており、色彩感めいたものは乏しい。オーケストラの持ち味なのか、録音の特性なのか・・・
こじんまりとしているけれど、線の細い弱々しいアンサンブルではない。リズムやフレージングには、キレとか張りがあってエネルギッシュ。
盛り上がる場面では、音塊としての圧力はないけれど、畳みかける迫力はある。
指揮者とオーケストラは、やりたいこと、やるべきことをやり上げている。ただ、この曲の一般的なイメージからは距離があるかもしれない。
この指揮者の音楽性は興味深いけれど、聴き手の側では好みが分かれそう。
このコンビで、同曲を3回セッション録音しており、この音源はその最初のもの。
1960年前後のオーマンディの音源は、ドライで高音キツメで、空間の広がりを感じにくいものが多い。この音源はその典型。
細かいところはよく聴こえるけれど、自然な音響とは言いがたい。
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この交響曲のレコーディングの中でも、たぶん、かなり個性的な演奏。
まず、オーケストラの編成が小さいのか、この曲らしい壮大な音響は聴かれない。
ありがちな、広々として空間に、量感たっぷりオーケストラを響かせるアプローチとは真逆で、個々のパートの線が重視されている。
内声部がとても雄弁。
木管は、弦と対等とまでは言えないけれど、存在感は大きい。
ヴァイオリンは対向配置になっており、左右の掛け合いを通して、表情を作り出している。
金管パートも、派手な振る舞いはなく、分をわきまえている。
演奏の精度は高いものの、中低音をふくよかに響かせて、神経質な印象を与えない。ただ、全般的に明るくて乾いた響きに統一されており、色彩感めいたものは乏しい。オーケストラの持ち味なのか、録音の特性なのか・・・
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こじんまりとしているけれど、線の細い弱々しいアンサンブルではない。リズムやフレージングには、キレとか張りがあってエネルギッシュ。
盛り上がる場面では、音塊としての圧力はないけれど、畳みかける迫力はある。
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指揮者とオーケストラは、やりたいこと、やるべきことをやり上げている。ただ、この曲の一般的なイメージからは距離があるかもしれない。
この指揮者の音楽性は興味深いけれど、聴き手の側では好みが分かれそう。
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